ヤマミヤアップデート

嘘は書かないつもり

「TOKYO TRIBE」見た話 

先日トロント国際映画祭にて「TOKYO TRIBE」を見た。

上映前、謎のおばさんがいらないフリーチケットくれてテンションあがる。

 

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詳しいかどうかは別として園子温監督も日本語ラップも好きなので、こっちで上映すると知ったときから絶対行こうと思ってた作品。

「バトルラップミュージカル」ということで役者はもちろんラッパーも大勢出演しているんですが

MC漢とかDOTAMA、練馬ザファッカーのD.Oとかでサイファー(何人かで輪になり順番に即興ラップするやつ)的なことするシーンなどあり、その顔ぶれを映画で見てるってだけでもお~~~~~ってなった。

 

「リンカーン」にも出演してたD.O

 

主役の海(かい)役がYOUNG DAISというラッパーで、彼のラップが非常にいい。声もフロウも心地よくて主役として最高。

海は「LOVE&PEACE」を信条にしている仲間思いのやつなんだけどYOUNG DAISの悪癖がなく聞きやすいラップからその「良い奴感」が伝わってくるところも適役たる所以。

 

 

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実は恥ずかしながら彼がラッパーだということを知らなかったのですが、上映中「この俳優誰だろうなー」って思うくらいに演技も申し分ない。

原作のキャラにも似てるのでそっちのファンも納得してるんじゃないだろうか。

とにかく個人的には何も言うことないくらい彼はよかった。一般公募から主役に抜擢されたらしいが、すばらしい人選だと思う。

 


YOUNG DAIS "One in a million" (Official Music ...

 

 

当たり前って言ったらそれまでだけど、

気になったのが俳優とラッパーのスキルの差。

竹内力、鈴木亮平、佐藤隆太(今回もまたまた情に厚く友達思いのいいやつ役。完全にこのポジションを確立している。)などなど役者陣も豪華だが

「バトルラップミュージカル」を謳うくらいならもうちょっとラップしっかりやってもいいんじゃないのっていうのが正直なところ。

 

竹内力などはシリアスに聴かせようとしているラップじゃなく、コミカルなものとして扱っていい雰囲気だっただけど

濃いキャラに任せて「ドス声と顔芸でいてまえ!!!!!」な感じは否めない。

特に、物語中ラップすることが多い染谷将太のラップはちょっとう~んって感じ。

ストーリーテラー的な立ち回りなので、できるだけ癖がないように、プレーンにしたかったという意図もあるのかもしれないが、それにしてもフロウも声も本当に普通でだんだん飽きてきてしまう。

 

全編通しラッパーのすぐあとに役者の出番があるときは差が顕著に現れて肩すかしをくらった気分。でも普段聞けない役者のラップを聞けるってのはかなり新鮮なものなのでおもしろい点でもある。

 

あとはファミレスの店員役として出演していた市川結衣が地味に印象に残っている。

「看板娘」という言葉がぴったりで海たちを心配する姿はかなりハマっていた。

控えめなラップを披露したのも趣深し。

 

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H2懐かしいな

 

 

ストーリーはシンプルで、「豪華でギラギラな出演者&ラップミュージカル」っていう濃さに対してちょうどいい。

「こいつこんな簡単にやられちゃっていいの?」ってシーンもあるがストーリー的に引っかかるわけでもなかったので気にしなかった。

公式サイトにも載ってる予告編見た人には予測できる展開があることだけはちょっと問題ありだと思う。

あとは日本語ラップに対して英語の字幕が出ているので、外国人にとっては日本語のライムが分かりにくいね。国際的に出したい作品みたいなので難しいところ。

 

 

グダグダ書いたけどずーっと楽しみにしてた映画が見られてよかったです。

国際映画祭で見たってのもいい思い出になりました。

隣のおっさんがずっと爆笑してたのもいい思い出。