ヤマミヤアップデート

嘘は書かないつもり

「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」

読んだので感想です。


「キューバ最高!」とか「自分の世界が広がる!」というポジティブな旅行推奨文ではなく、若林さんの個人的観点で書かれた紀行文。
言葉の通じない海外で、40近くの男性が戸惑い、困りながらも、わくわくする姿(ときに悲しんだりする)が可愛げがあって笑える。


表題のカバーニャ要塞にいた野良犬をじっと見つめ立ち止まる場面は、なんの変哲も無い景色から、若林さんがモヤモヤを感じている社会主義・資本主義構造について考える、象徴的な場面に思えた。

「誰かに飼いならされるより自由と貧しさを選んでいた。僕の幻想だろうか?それとも、キューバだろうか?」


※以下少々ネタバレ

最後に書かれているキューバに来た根本的な理由が父親の死という超個人的なもので、亡くなった父親と"対話"する部分は内向的(思考が自分の内に向いている)な若林さんだからこその描写に思える。遠く離れた土地に来つつも、一人しっぽり思い出に浸っているという対比が切なく感動的だった。


ラジオで最近話しているモンゴルの話ももっと聞きたいね。

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